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塩化銅(I)(えんかどう(I)、)は、1価の銅と塩素とで構成され、組成式CuClで表される無機化合物である。白色固体でほとんど水に溶けないが、空気酸化により緑色固体の塩化銅(II)が生成する。ルイス酸の一種であり、アンモニアや塩化物イオンなどとは水溶性の錯体を形成する。日本では毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。 水溶液中では不安定であり、不均化により銅と塩化銅(II)が生成する。しかしながらほとんど水に溶けないため、見かけ上は安定であるように見える。〔N. N. Greenwood, A. Earnshaw, ''Chemistry of the Elements'', 2nd ed., Butterworth-Heinemann, Oxford, UK, 1997.〕 ==化学的性質== 塩化銅はルイス酸であり、HSAB則に従うとソフトな酸に分類される。このためトリフェニルホスフィンのようなソフトなルイス塩基と安定な錯体を形成しやすい :CuCl + PPh3 → 4 塩化銅は水に不溶であるが、適切な配位子があれば水に溶解する。ハライドイオンと容易に錯体の形成が可能であり、たとえば濃塩酸中ではH3O+ CuCl2-といったイオン対を形成し溶解する。他にもシアン化物イオン(CN-)やチオ硫酸イオン(S2O32-)、アンモニア(NH3)などと錯体を形成する。 塩酸やアンモニアを含む水中に溶解した塩化銅(I)溶液は一酸化炭素を吸収し、ハロゲンで架橋した構造の 二量体2(無色固体)を形成する。また塩酸に溶解した塩化銅(I)溶液はアセチレンガスとも反応し、CuCl(C2H2)を形成する。一方アンモニアに溶解した塩化銅(I)は、アセチレンガスと反応すると爆発性の銅アセチリドを生成する。アルケンと塩化銅(I)の錯体を得るには、アルケン存在下で塩化銅(II)を二酸化硫黄により還元すればよい。1,5-シクロオクタジエンのようなキレート能をもつアルケンとの錯体は特に安定である〔D. Nicholls, ''Compleses and First-Row Transition Elements'', Macmillan Press, London, 1973.〕。 メチルリチウム(CH3Li)のような有機金属化合物とも反応し、ギルマン試薬である(CH3)2CuLiが生成する。グリニャール試薬も同様に生成する。これらの試薬は有機合成化学において多用されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「塩化銅(I)」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Copper(I) chloride 」があります。 スポンサード リンク
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